『ダ・ヴィンチ・コード』は実話?論争の的となった5つの謎と物語の真相を徹底解説

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『ダ・ヴィンチ・コード』は実話?論争の的となった5つの謎と物語の真相を徹底解説 ミステリー・サスペンス映画
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世界的な大ベストセラーとなった小説『ダ・ヴィンチ・コード』。

その魅力は、スリリングなあらすじと、物語の冒頭で示唆される「これは実話かもしれない」という謎に満ちたリアリティにあります。読者の中には、あまりの面白さに「意味がわからない」ほど夢中になった方も多いのではないでしょうか。

物語の舞台となるルーブル美術館で起こる事件、鍵を握るマグダラのマリアの存在、そしてヒロインのソフィーとそのの運命、彼女の「その後」。これらは全てフィクションなのでしょうか?それとも、私たちが知らない歴史の真実なのでしょうか?

この記事では、『ダ・ヴィンチ・コード』がなぜ世界中で大論争を巻き起こし「なぜ問題なのか」とまで言われたのか、その核心に迫ります。この物語が実話に基づいているという説の真相を、一緒に紐解いていきましょう。

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『ダヴィンチコード』は実話?物語のあらすじと散りばめられた謎を徹底解説

『ダヴィンチコード』は実話?物語のあらすじと散りばめられた謎を徹底解説

『ダヴィンチコード』は実話?物語のあらすじと散りばめられた謎を徹底解説

まずは、この物語がどれだけ巧みに作られているか、その世界に飛び込んでみましょう。フィクションとしての面白さ、そして登場人物たちが何を探し求めていたのかを知ることで、なぜこの物語が「実話」と結びつけて語られるのか、その理由が見えてくるはずです。

【あらすじ】物語はルーブル美術館の殺人事件から始まる

物語は、フランスが誇るルーブル美術館の荘厳なグランド・ギャラリーで、館長のジャック・ソニエールが殺害されるという衝撃的なシーンで幕を開けます。

しかし、これはただの殺人事件ではありませんでした。ソニエールは死の間際に、自らの体をキャンバスに見立て、ダ・ヴィンチの有名な「ウィトルウィウス的人体図」のポーズをとり、周囲に不可解な暗号を残していたのです。

講演のためパリに滞在していたハーヴァード大学の宗教象徴学者、ロバート・ラングドンは、フランス司法警察から呼び出しを受け、現場へと向かいます。

警察は、現場に残された「追伸:ロバート・ラングドンを探せ」というメッセージから、彼を第一容疑者と見ていました。

絶体絶命のラングドンの前に現れたのが、警察の暗号解読官であり、実はソニエールの孫娘であるソフィー・ヌヴーでした。

彼女は祖父が残した暗号が、自分とラングドンを真実へと導くための道しるべだと確信し、彼と共に警察の追跡をかわしながら、ヨーロッパを舞台にした壮大な謎解きの旅に出ることになります。

ルーブル美術館に隠されたダ・ヴィンチの絵画の謎から始まり、二人は歴史の裏側に隠された、キリスト教世界を根底から揺るがすほどの巨大な秘密へと迫っていくのです。

「意味がわからない」を解消!物語の核心と登場人物の目的

「意味がわからない」を解消!物語の核心と登場人物の目的

「意味がわからない」を解消!物語の核心と登場人物の目的

『ダ・ヴィンチ・コード』って、面白いけど一回読んだだけじゃ「?」ってなるところ、結構ありますよね?

特に「誰が敵で、誰が味方で、結局みんな何がしたかったの?」と混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。ここで少し交通整理をしてみましょう。

この物語の登場人物たちは、皆ある一つの「秘密」を巡って動いています。その秘密とは、「聖杯の正体」です。

  • ラングドンとソフィー:当初は殺人事件の容疑を晴らすため、そして祖父の死の真相を知るために行動していましたが、やがて歴史の真実そのものを探求する旅へと変わっていきます。
  • ジャック・ソニエール(館長):彼は秘密結社「シオン修道会」の総長として、命が尽きる瞬間に、その後継者であるソフィーに「聖杯の秘密」を託そうと、命がけで暗号を残しました。
  • リー・ティービング(富豪の聖杯研究家):彼こそが物語の黒幕、「導師(ティーチャー)」です。彼の目的は、シオン修道会が隠し続ける聖杯の秘密を全世界に暴露し、教会の権威を失墜させることでした。
  • シラス(暗殺者)とオプス・デイ:彼らはティービングに「聖杯を奪えば、教会の危機を救える」という偽の情報を与えられ、操られていた駒でした。彼らは最後まで、自分たちが教会の敵に利用されていることに気づいていませんでした。

つまり、「聖杯を暴露したいティービング」が、「聖杯を守りたい教会」を騙って「シラス」を操り、「聖杯の秘密を守るソニエール」を襲わせた…というのが、この複雑な物語の基本構造なんです。こう考えると、少しスッキリしませんか?

物語の鍵を握るヒロイン「ソフィー」のその後と「兄」の正体

物語の鍵を握るヒロイン「ソフィー」のその後と「兄」の正体

物語の鍵を握るヒロイン「ソフィー」のその後と「兄」の正体

この物語は、ラングドンの謎解きと同時に、ヒロインであるソフィー・ヌヴーの「自分探しの旅」でもあります。

彼女は幼い頃に家族を事故で亡くし、大好きだった祖父ともある出来事がきっかけで疎遠になってしまった、という過去を背負っています。彼女にとって、この旅は祖父の死の真相を追うだけでなく、封印してきた自らの過去と向き合うことでもありました。

物語のクライマックス、スコットランドのロスリン礼拝堂で、彼女は衝撃の真実を知ることになります。

亡くなったと聞かされていた両親と家族の事故は、実は彼女の「血筋」を守るための偽装工作だったのです。そして、彼女はそこで死んだはずの祖母と、そして存在さえ知らなかった兄(弟)との再会を果たします。

 

ソフィーは、自分が何世紀にもわたって秘密結社が守り続けてきた「聖なる血脈」の末裔、つまり「聖杯」そのものであることを知るのです。

物語の終わりで、彼女は警察官を辞め、スコットランドで本当の家族と共に新しい人生を歩み始めます。

ラングドンとの間にはロマンスを予感させながらも、続編では彼女は登場せず、その後の人生は読者の想像に委ねられています。追われる身であった彼女が、自らのルーツと使命を受け入れ、穏やかな人生のスタートラインに立つ…。これが、ソフィーの物語の結末なのです。

『ダ・ヴィンチ・コード』が問題作とされる「実話」の部分とキリスト教の謎

『ダ・ヴィンチ・コード』が問題作とされる「実話」の部分とキリスト教の謎

『ダ・ヴィンチ・コード』が問題作とされる「実話」の部分とキリスト教の謎

さて、ここからが本題です。この物語がなぜフィクションの枠を超え、世界中で大論争を巻き起こし、「問題作」とまで言われたのでしょうか。

それは、物語の根幹にあるいくつかのテーマが、私たちの知る歴史や宗教の常識に真っ向から異議を唱えるものだったからです。その核心に、一緒に迫っていきましょう。

なぜ問題なのか?キリスト教の根幹を揺るがす内容とは

『ダ・ヴィンチ・コード』が問題とされた最大の理由は、キリスト教の根幹、特にカトリック教会の教義を根底から覆すような主張を、「事実」として提示した点にあります。具体的には、以下のような内容です。

  1. イエス・キリストは神の子であるだけでなく、人間としてマグダラのマリアと結婚し、子供をもうけていた。
  2. 「聖杯」とは、その子孫、すなわちイエスの「王家の血(Sang Real)」であり、その血脈は現代まで続いている。
  3. カトリック教会は、この事実が自らの権威を揺るがすため、2000年近くにわたってこの真実を隠蔽し、マグダラのマリアの存在を貶めてきた。

これらの主張は、イエスの神性と復活を信仰の中心に置く多くのキリスト教徒にとって、自らの信仰を冒涜する、到底受け入れがたいものでした。

もしこれが真実なら、教会の歴史は巨大な嘘の上に成り立っていたことになってしまいます。そのため、バチカンをはじめとする多くの宗教団体が公式に強い懸念を表明し、信者に対してボイコットを呼びかけるほどの事態に発展したのです。

フィクションと分かっていても、多くの人が信じるものを題材にしたからこそ、これほど大きな問題となったのですね。

物語の最重要人物「マグダラのマリア」の真実の姿

物語の最重要人物「マグダラのマリア」の真実の姿

物語の最重要人物「マグダラのマリア」の真実の姿

この物語の全ての鍵を握っているのが、マグダラのマリアという女性です。彼女は一体何者なのでしょうか?

聖書に登場するマグダラのマリアは、イエスの磔刑と復活を見届けた、最も重要な弟子の一人です。

特に、復活したイエスに最初に会った人物として描かれており、「使徒たちへの使徒」として、初期の教会では非常に尊敬されていました。しかし、聖書には彼女が娼婦であったり、イエスと結婚していたりするという記述は一切ありません。

では、なぜ「悔い改めた娼婦」というイメージが広まったのでしょうか?これは、6世紀のローマ教皇グレゴリウス1世が、聖書に登場する別の「罪深い女」とマグダラのマリアを同一人物と見なす説教を行ったことが大きな原因とされています。

この解釈が西ヨーロッパで広く定着し、彼女の本来の姿は、何世紀にもわたって覆い隠されてきました。(この解釈は、後にカトリック教会自身によって訂正されています。)

『ダ・ヴィンチ・コード』は、この歴史的な解釈の変遷を「教会による意図的な隠蔽工作」と捉え、イエスのパートナーであった彼女の本当の姿を隠すためだった、という大胆なストーリーを構築しました。歴史の謎や矛盾点を巧みに拾い上げ、一つの壮大な物語に仕立て上げたのです。

作中で「事実」とされるシオン修道会や聖杯伝説の背景

作中で「事実」とされるシオン修道会や聖杯伝説の背景

作中で「事実」とされるシオン修道会や聖杯伝説の背景

物語の冒頭には「本作に登場する芸術作品、建築物、文書、秘密儀式は、すべて事実に基づいている」という一文があります。これが、読者を「これは実話かもしれない」と思わせる最大の仕掛けでした。では、作中で「事実」として登場する要素は、本当に実在するのでしょうか?

  • シオン修道会:作中ではダ・ヴィンチやニュートンが総長を務めたという、歴史ある秘密結社として描かれます。しかし、歴史学的な調査により、これは1956年にフランスでピエール・プランタールという人物が創作した、近代の団体であることが判明しています。彼が偽造した古文書が、小説の元ネタとなっているのです。
  • オプス・デイ:作中で暗殺者を操る狂信的なカルト集団のように描かれていますが、これは実在するカトリックの組織です。もちろん、小説で描かれているような過激な活動は行っておらず、あくまでフィクションとしての脚色です。
  • 聖杯伝説:イエスの血を受けたとされる杯、という伝説は古くから存在します。しかし、それが「マグダラのマリアとその血脈」を指すという解釈は、ダン・ブラウンの創作ではなく、80年代に出版された『レンヌ=ル=シャトーの謎』といった先行する書籍で提示されたアイデアを借用したものです。

このように、実在の組織や伝説に、大胆なフィクションを織り交ぜることで、何が真実で何が創作なのか、その境界線が極めて曖昧になっているのが、この作品の最大の特徴と言えるでしょう。

【まとめ】ダヴィンチコードは実話か?史実とフィクションの境界線

【まとめ】ダヴィンチコードは実話か?史実とフィクションの境界線

【まとめ】ダヴィンチコードは実話か?史実とフィクションの境界線

さて、長旅にお付き合いいただきありがとうございました。結論として、『ダ・ヴィンチ・コード』は実話ではありません。

物語の根幹をなす「イエスとマグダラのマリアの結婚」や「古代から続くシオン修道会」といった要素は、歴史的な証拠に裏付けられたものではなく、あくまでフィクションです。

しかし、この物語が全くのデタラメかというと、そうとも言えません。実在の美術品、歴史上の出来事、そして実際に存在する様々な説や伝説をパズルのように組み合わせ、読者に「もしかしたら、私たちの知る歴史は、誰かによって作られた物語なのかもしれない」と考えさせる力を持っています。

この小説の本当の価値は、歴史の教科書としての正確さではなく、私たちを歴史、美術、宗教といった分野への探求心へと駆り立てる、最高の知的好奇心エンターテイメントであるという点にあるのではないでしょうか。

この物語をきっかけに、マグダラのマリアについて調べてみたり、ルーブル美術館を訪れて『モナ・リザ』を眺めてみたりする。

フィクションと史実の境界線を行き来する、そんな知的な楽しみ方こそが、『ダ・ヴィンチ・コード』が私たちに与えてくれた、最大の贈り物なのかもしれませんね。

  • ダヴィンチコードは実話かどうかの論争を巻き起こした

  • 物語はルーブル美術館の館長殺人事件から始まる

  • 主人公ラングドンとソフィーが歴史的な謎を追う

  • ヒロインのソフィーは失われた家族と兄に再会する

  • 複雑なプロットは多くの読者を混乱させたとされる

  • 物語の黒幕は聖杯研究家のリーティービングだった

  • 犯人の目的は聖杯の秘密を世界に暴露すること

  • キリスト教の教義を揺るがす内容のため問題作となった

  • イエスとマグダラのマリアが結婚し子供をもうけたと主張

  • 聖杯の正体は杯ではなくマリアとその血脈だと描かれる

  • マグダラのマリアは歴史的に娼婦と誤解されてきた

  • 秘密結社シオン修道会は近代に創作された団体である

  • 聖杯の最終的な場所はルーブル美術館の地下とされた

  • 物語の核心的な主張は歴史的事実とは異なるフィクション

  • 歴史への興味をかき立てる知的なエンターテイメントと評価される