インド映画の歴史を塗り替え、世界中を熱狂の渦に巻き込んだ叙事詩的アクション大作『バーフバリ』。

その第一作目である『伝説誕生』には、実は2つのバージョンが存在することをご存知でしょうか。

一つは日本で劇場公開された「インターナショナル版」、そしてもう一つが、オリジナルの編集方針に近いとされる「バーフバリ伝説誕生完全版」です。

この「違い」を知らずして、『バーフバリ』の神髄を語ることはできません。

本記事では、両バージョンを徹底的に比較し、追加・拡張されたパートが物語にどのような深みを与えているのかを、専門的な視点からネタバレを含みつつ深く考察します。

あなたが観た『バーフバリ』は、まだ本当の姿ではなかったのかもしれません。

まず結論：『バーフバリ』の真の姿は「完全版」にあり！ファンならずとも必見の理由

『バーフバリ伝説誕生』完全版と通常版の決定的違いとは？

時間を無駄にしたくない方のために、まず結論から申し上げます。

もしあなたが『バーフバリ』の世界に少しでも心を動かされたのなら、あるいはこれから初めて観るのであれば、選ぶべき第一候補は「完全版（オリジナル・テルグ語版）」です。

インターナショナル版がスピーディーで分かりやすい“入門編”だとすれば、完全版は監督S.S.ラージャマウリの構想をより濃密に味わえる“拡張体験版”と言えます。

短縮分は単なる枝葉ではなく、物語の理解を補強する重要な要素を多く含みます。

この違いを踏まえることで、続編『王の凱旋』への感動は間違いなく増幅するでしょう。

ただし、どちらの版にも魅力があるため、視聴者の好みに応じた選択も尊重されるべきです。

『バーフバリ伝説誕生』完全版と通常版（インターナショナル版）の具体的な違い

両者の最も大きな違いは上映時間です。

インターナショナル版が約138分であるのに対し、完全版は約159分。

地域や媒体により差はありますが、おおむね約20分前後の違いが確認されます。

※注意：ここから先は、物語の核心に触れるネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

① 上映時間の違いは約20分前後！主要な追加・変更シーンの傾向

完全版で拡張・追加されているパートは多岐にわたります。

とくに物語の理解に影響する傾向として、以下がよく言及されます。

なお、版の違いにより具体的な構成は媒体・地域で若干異なる場合があります。

シヴドゥの少年期: 村で力強く育つ様子がより丁寧に描かれ、滝へ挑む動機づけが補強される傾向があります。
アヴァンティカの登場シーン: 彼女が属する勢力の背景や使命感が早い段階から明確化され、キャラクターの輪郭がより鮮明になります。
楽曲シーンの扱い: 代表的には「Pacha Bottasi」など、ロマンスの情緒を支える楽曲パートの収録の長さや編集が異なる版が存在します。
デーヴァセーナ救出前の描写: カッタッパと王族側のやり取りなど、王国の力学や彼の葛藤を補強する会話・描写が加わる版もあります。

これらの要素は、主演のプラバースが示す英雄性と人間味の両面を引き立て、物語に説得力を与えます。

いずれの差分も、キャラクター動機や関係性の理解を助ける方向で機能するのが大きな特徴です。

※個々のディスクや配信での差異は仕様に依存するため、実機のパッケージ表記・配信ページをご確認ください。

② キャラクター描写の深化：シヴァガミとカッタッパの葛藤に隠された意味

完全版で顕著に恩恵を受けるのが、シヴァガミとカッタッパという二人の中核人物です。

インターナショナル版でやや唐突に見えた動機や決断に、背景の厚みが加わることで受け止め方が変わります。

とりわけ、カッタッパの忠誠と宿命の理由づけが強化されることで、『王の凱旋』における“あの決断”の重みが増します。

③ 物語の伏線と説得力：アヴァンティカとの恋、そしてデーヴァセーナ救出の裏側

シヴドゥとアヴァンティカの関係は、完全版では印象が変わります。

ロマンスが単なる“気まぐれ”ではなく、大義の継承としての使命感へと接続され、主人公の成長線が自然になります。

結果として、彼の運命への歩みがより神話的な重層性を帯びてくるのです。

なぜ2つのバージョンが存在するのか？S.S.ラージャマウリ監督の意図と世界戦略を考察

なぜインターナショナル版では短縮が行われたのか。

そこには、上映時間・鑑賞習慣・配給戦略など複合的な事情が想定されます。

海外向けのテンポ調整や、劇場上映における回転・興行上の配慮は、国際展開でしばしば採られる選択です。

海外観客を意識した「インターナショナル版」のテンポ感

長尺や楽曲パートの多さは、地域によって受容度が異なります。

インターナショナル版は物語の主幹をコンパクトに伝える構成で、初見の敷居を下げる効果がありました。

まずは広い層へ届く版を提示し、その後に濃密な体験へ誘導する——結果として世界的ヒットにつながったと言えるでしょう。

“完全版”が示す文化的厚み

完全版は、テルグ映画的文脈や神話性、人物関係の機微をより濃く感じられる構成です。

M.M.キーラヴァーニの音楽とともに、神話叙事詩としてのスケールが際立ちます。

どちらが上位というより、鑑賞ゴールに応じて最適解が異なる二つのエディションと捉えるのがフェアでしょう。

海外の評価は？IMDbとRotten Tomatoesのスコアに見る『バーフバリ』の衝撃

『バーフバリ伝説誕生』は、版を問わず世界的に高評価を得ています。

参考として、IMDbやRotten Tomatoesでは高スコアが並びます（数値は随時更新されるため、最新値の確認を推奨）。

レビューでは革新的なビジュアル、エネルギッシュな語り口、人物造形の厚みがしばしば称賛されています。

IMDb: 高スコア帯を継続。
Rotten Tomatoes: 批評家・観客ともに好意的な評価が多い傾向。

これらの評は作品全体に向けられたもので、個別の編集版に限定した指標ではありません。

ただ、レビュー本文を読むと「長尺だが見合う価値」「背景描写の充実」といった、完全版の強みと重なる指摘が多く見られます。

スコアの最新情報は公式ページや各サービスの該当作品ページでご確認ください。

まとめ：『バーフバリ伝説誕生』完全版がもたらす真の映画体験

「バーフバリ伝説誕生完全版」と「インターナショナル版」の違いは、単なる時間の長短ではありません。

キャラクターの動機づけ、世界観の奥行き、続編へ連なる伏線の解像度といった、受け止め方の“質”に関わる差です。

どちらの版も魅力的ですが、より深い没入を求めるなら完全版は強く推奨されます。

インターナショナル版はエンタメ性の高い導入として優れ、

完全版は神話叙事詩としての骨太さを堪能できます。

俳優プラバースの英雄像、S.S.ラージャマウリ監督の構築力、インド映画のポテンシャルをより濃密に味わうなら、完全版が最適です。

この違いを知った上で、あなたはどちらの『バーフバリ』を体験したいですか？

まだ完全版を観ていないなら、マヒシュマティ王国の本当の扉は、まだ開き切っていないのかもしれません。

作品ページやディスク仕様の表記を確認し、あなたに合う最良の版を選んでください。

『バーフバリ伝説誕生』完全版に関するFAQ

Q1: 『バーフバリ伝説誕生』の完全版はどこで見れますか？

A1: 2025年現在、一部の動画配信サービス（VOD）の見放題・レンタル、またはDVD/Blu-rayで視聴可能です。

とくに「オリジナル・テルグ語版」「uncut」「complete」などの記載があるものが、一般に完全版として扱われます。

ただし配信・パッケージの仕様は地域・媒体で異なるため、各サービスや販売元の公式情報で最新の収録時間・版表記をご確認ください。

Q2: 初めて『バーフバリ』を観るなら、どちらのバージョンがおすすめですか？

A2: 映画をじっくり楽しみたい方、人物や世界観の厚みを重視する方には、最初から「完全版」を強くおすすめします。

まずはテンポ良く全体像を掴みたい場合は「インターナショナル版」から入るのも選択肢です。

いずれにせよ、最終的に完全版を観ることで、続編への理解と感動が深まるでしょう。

Q3: 続編の『バーフバリ王の凱旋』にも完全版はありますか？

A3: 『王の凱旋』については、「完全版」という明確な呼称が前作ほど流通していない一方、地域・媒体により上映時間や編集に差異がある例が報告されています。

そのため、視聴時はディスクや配信ページの収録時間・版表記を確認するのが安全です。

前作を完全版で観ておけば、続編の展開をより深く味わえるはずです。

ご注意（重要）:

本記事は各版の一般的な差異をもとに解説していますが、配信サービスやディスク仕様は地域・発売時期で変更される場合があります。

収録時間・言語・字幕・編集表記（uncut/complete など）は、必ず視聴・購入前に各プラットフォームや販売元の公式情報でご確認ください。

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