アニメ映画『竜とそばかすの姫 歌ってる人』は誰なのか？そう感じて検索している人はとても多いように思います。実際に私自身もこの作品を観た際、ベルの歌声に強く心を揺さぶられ、エンドロールで「中村佳穂」という名前を見つけた瞬間に、声優なのか、それともミュージシャンなのかをすぐに調べてしまいました。
特に、常田大希さん率いるmillennium paradeとのタッグで生まれた主題歌「U」や、友人キャラクターが歌う「心のそばに」の歌唱者が誰なのか。また、SNSで話題になった「Adoさんが歌っている」という噂が事実なのかどうかなど、気になっている人は多いはずです。
この映画は、主人公すず／ベルの歌声だけでなく、作品を支える豪華な合唱団や制作陣も魅力的です。そこでこの記事では、私が徹底的に調べた『竜とそばかすの姫』歌っている人の情報を、主題歌から劇中歌までわかりやすく解説していきます。
この記事を読むことでわかること
- 主人公ベルの歌声（劇中歌全般と主題歌）を担当した人物
- 主題歌「U」におけるmillennium paradeとの共創関係
- 主人公以外の劇中歌（「心のそばに」など）の歌唱担当者
- この作品の音楽が日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した背景にある制作チーム
竜とそばかすの姫 歌ってる人はこの人！【主役と主題歌】
まずは、多くの人が最も知りたいポイントである、主人公の歌声と主題歌の歌唱者に焦点を当てます。この作品の音楽的な中心にいるのは、紛れもなく一人の女性ミュージシャンです。
歌姫ベルの正体：中村佳穂の声優と圧倒的な歌唱力
映画の主人公であるすず、そして仮想世界＜U＞で圧倒的な存在感を放つ歌姫ベル。この両方の声を担当し、さらに劇中のすべての歌唱を担ったのが、ミュージシャンの中村佳穂（なかむら かほ）さんです。
彼女は映画公開前までは一般的な知名度こそ高くありませんでしたが、独創的なリズム感と魂のこもった歌声で多くの音楽ファンに支持されてきました。細田守監督は、彼女の持つ天性の表現力こそがベルというキャラクターを国際的に通じる歌姫として成立させる鍵だと考え、起用を決断したと言われています。
劇中で感じるあの心揺さぶる歌声は、声優と歌唱を兼任することにより、現実のすずと仮想世界のベルという二面性を一つの表現者が深く体現した結果だと言えるでしょう。
中村佳穂のキャリアと細田監督のキャスティング戦略
中村佳穂さんは1992年生まれ、京都府出身のシンガーソングライター。20歳頃から音楽活動を本格化し、アルバム『AINOU』などで高い評価を獲得してきました。彼女の音楽はジャンルに縛られず、実験的かつ情感豊かで、聴く人の心に深く響くのが特徴です。
細田監督が彼女を起用した理由には、単純に「歌が上手いから」だけではなく、仮想世界＜U＞が持つ多様性と革新的な空気感を音楽面から表現するために、既存の枠に収まらないアーティストを求めていたという背景があります。
その結果、ベルはただのアニメキャラクターではなく、世界のユーザーを魅了する現代的なポップアイコンとして成立しました。これは中村佳穂さんの表現力に依るところが大きいでしょう。
主題歌 U の歌唱名義とmillennium parade
映画の中心テーマであり最も注目を集めた楽曲「U」は、中村佳穂さん単独名義ではありません。制作を手掛けたのは、King Gnuの常田大希さん率いる音楽集団・millennium paradeです。
主題歌「U」の正式な歌唱名義は、millennium parade × Belle（中村佳穂）です。
常田大希さんは、壮大な仮想世界の音楽表現を任され、細田監督から強いオファーを受けて参加。彼は中村佳穂さんの歌声を「日本語をここまでグルーヴさせられるシンガーは稀」と高く評価しています。
このコラボ名義は、millennium paradeの未来的な音楽性と、映画キャラクターとしてのベル（中村佳穂）を効果的に融合させ、作品世界を壊さない絶妙なバランスをとったものになっています。
劇中歌「歌よ」や「Whispers」に込められた感情
中村佳穂さんは主題歌だけでなく、ベルの心情の変化を描く重要な劇中歌も担当しています。特にベルが歌姫として覚醒する象徴的な楽曲「歌よ」では、「歌よ導いて！」という切実な願いを力強く表現し、作品テーマの核である“歌が世界を変える力”を鮮烈に描き出しています。
また、「はなればなれの君へ Part1/Part2」などの楽曲は、英語圏の視聴者が検索する際に「Whispers」と呼ばれることもあります。仮想世界での孤独やつながりを求める心情が繊細に表現されており、彼女の音楽的魅力が存分に活かされた場面の一つと言えるでしょう。
友人の歌声「心のそばに」の歌唱者 HANA. とは
主人公すずの現実世界の友人・知（とも）くんの歌声を担当しているのがHANA.さんです。楽曲「心のそばに」には、すずが歌うバージョンと知くんが歌うバージョンの2種類が存在し、知くんバージョンを歌うのがHANA.さんになります。
この楽曲は、音楽監督の岩崎太整さんや細田守監督、さらに中村佳穂さん自身も作詞に関わっており、劇中のストーリーに深く関わる重要な歌となっています。
映画の精神的支柱 ポリフォニー合唱のベテラン歌手陣
仮想世界＜U＞とは対照的な、すずの地元・高知の田舎町で彼女を見守る5人の女性たち。この合唱団が披露するポリフォニー（多声合唱）は、物語に温かさと深みを与えています。
【5人の女性を演じたベテラン歌手】
- 森山良子
- 中尾幸世
- 坂本冬美
- 岩崎良美
- 清水ミチコ
ジャンルを超えて活躍するレジェンドたちの参加は、「伝統と革新」「現実と仮想」というテーマを音楽からも支える素晴らしいキャスティングでした。
竜とそばかすの姫 歌ってる人に関する誤解と音楽制作の核心
竜とそばかすの姫 Ado が歌っているという誤解を解説
公開後、「Adoさんが歌っているのでは？」という噂がネットで広まりました。しかしAdoさんは本作の歌唱には一切関わっていません。
この誤解は、Adoさんが別作品『ONE PIECE FILM RED』で歌姫ウタの歌唱パートを務めた影響で混同が起きたと考えられます。どちらも強烈な歌声を持つ女性アーティストであるため、誤認した人が出たのかもしれません。
ですが、『竜とそばかすの姫』におけるベルの歌声は全て中村佳穂さんが担当しています。
主題歌「U」の商業的成功と紅白歌合戦での披露
「U」は2021年7月に配信開始されると同時に大きな反響を呼び、Billboard JAPANのチャートで首位を獲得し続け、デジタルランキングでも4週連続1位を記録するなど大成功を収めました。
さらに同年の「第72回NHK紅白歌合戦」にはmillennium parade × Belle（中村佳穂）として出演し、「U」の特別アレンジバージョンを披露。映画の世界観をそのまま舞台上に持ち込んだような圧巻のパフォーマンスで、多くの視聴者に強烈な印象を与えました。
サウンドトラック参加の幾田りらやermhoiの役割
オリジナル・サウンドトラックは「Various Artists」名義で制作され、中村佳穂さん以外にも多様なアーティストが参加しています。
【主なゲストボーカリスト】
- 幾田りら（ikura）：YOASOBIのボーカルとして知られ、現代的なポップス要素を作品に取り入れました。
- ermhoi：坂東祐大さん率いるEnsemble FOVEにも所属し、実験的かつ現代音楽的な表現でサウンドに深みを加えています。
これらのアーティストの参加によって、仮想世界＜U＞の多文化・多ジャンルの融合が音楽でも見事に再現されました。
音楽監督 岩崎太整や坂東祐大らの制作チーム
この高品質な音楽を支えたのは、国内外のプロフェッショナルが集結した強力な制作チームです。
- 岩崎太整（Iwasaki Taisei）：音楽監督として作品全体のコンセプトを設計し統括。
- 坂東祐大（Bando Yuta）：作曲を担当し、自身のアンサンブル・Ensemble FOVEを起用して現代的で壮大なサウンドを構築。
- Ludvig Forssell：海外の著名作曲家として参加し、作品に国際的なスケール感を付与。
このような分業とコラボレーションによって、日本のアニメーション映画としては異例の音楽表現が実現しました。
日本アカデミー賞 優秀音楽賞の受賞背景
こうした音楽制作の成果として『竜とそばかすの姫』は、第45回日本アカデミー賞で優秀音楽賞を受賞しました。
主題歌「U」のヒットだけでなく、サウンドトラック全体の完成度や、音楽的世界観の統一性、技術的な高さが総合的に評価された結果です。
受賞情報の詳細や選考理由については、最新の日本アカデミー賞公式情報をご確認ください。
結論：竜とそばかすの姫 歌ってる人は多層的な構造
改めてまとめると、『竜とそばかすの姫』で歌っている人は、一人のシンガーだけではありません。主人公の感情を繊細かつ力強く表現する中村佳穂さん、仮想世界の壮大さを音楽で形づくるmillennium parade、そして現実世界の温かさを象徴するベテラン歌手陣（森山良子さん、坂本冬美さんほか）という、三つの大きなレイヤーが存在します。
さらに岩崎太整さんら音楽制作チームによって、こうした多層的な音楽がひとつの作品世界として見事に統合されました。このことが映画の成功を支え、日本アカデミー賞優秀音楽賞という評価に繋がったのです。
楽曲の背景を知ることで、映画の世界をより深く味わえるはずです。ぜひ改めてサウンドトラックも聴き返してみてくださいね。
📌【最後に必ずお読みください】
この記事の内容は公開情報をもとに作成していますが、制作陣やクレジットなどは更新される場合があります。
万が一の誤りを避けるためにも、最新情報は必ず映画公式サイト・公式資料をご確認ください。
