ダンケルクの映画がつまらない？評価の真相と理由を徹底解説

話題になった映画『ダンケルク』を観ようか迷っている、あるいは実際に観てみて「面白さがわからなかった」と感じている方は多いのではないでしょうか。

ネット上でも、ダンケルクの映画がつまらないという感想や、内容が難しいといった意見を目にすることがあります。

クリストファー・ノーラン監督の作品は評価が高い一方で、独特の構成ゆえに好みが分かれることも確かです。この記事では、あらすじやキャストに関する情報、そしてなぜ気まずいと感じる人がいるのかといった評判の裏側に迫りながら、作品の魅力や見どころがより理解できるように整理していきます。

最後のシーンや二等兵の描写に込められた意味を知ることで、鑑賞後の印象がガラリと変わることもあります。賛否両論あるこの作品について、評価が分かれる理由を丁寧に紐解いていきましょう。

映画ダンケルクがつまらないと言われる5つの理由

公開当時から大きな話題を呼んだ本作ですが、手放しで絶賛する声がある一方で、「期待外れだった」「退屈だった」という厳しい意見も少なくありません。映画レビューサイトでも評価が真っ二つに割れているのが印象的です。なぜここまで感想が分かれてしまうのでしょうか。ここでは、多くの人が「つまらない」と感じてしまった主な要因について、具体的なポイントを5つに絞って解説していきます。

映画ダンケルクのあらすじと難しいとされる背景

まず、この映画が「つまらない」と感じられる大きな要因の一つに、ストーリーの起伏が少ないことが挙げられます。一般的な戦争映画といえば、派手な戦闘シーンがあり、敵を倒して勝利するというカタルシスがあるものですが、『ダンケルク』はあくまで「撤退戦」を描いた作品です。

この「逃げるしかない」という状況がエンターテインメントの派手さを求める人には単調で退屈に映ってしまうのかもしれません。また、映画の冒頭から具体的な状況説明がほとんどなく、観客がいきなり戦場に放り出されるような演出になっているため、「今、誰がどこで何をしているのか」が掴みづらく、「話についていけなくて難しい」と感じてしまう人が多いのも理解できます。

ダンケルクのキャストが誰かわからないという声

映画の楽しみの一つに「好きな俳優の活躍を見る」という点がありますが、本作ではそこも評価が分かれるポイントになっています。もちろん、トム・ハーディやキリアン・マーフィー、ハリー・スタイルズといった豪華キャストが出演しているのですが、彼らの描き方が非常に独特です。

特にパイロット役のトム・ハーディはずっとマスクを被っていて顔がほとんど見えませんし、若い兵士たちは皆同じ軍服で泥や油まみれのため、「誰が誰だか区別がつかない」という印象につながりやすいのです。これはたしかに感情移入しにくい要素ですが、一方で「無名の兵士たちの集合的な体験」を描くという本作の意図でもあり、意図的に個人の英雄性を強調していないという特徴でもあります。

鑑賞中の沈黙でダンケルクが気まずいとの感想

「デートで観に行ったら気まずい雰囲気になった」という感想もちらほら聞かれます。これは、この映画の特徴である「セリフの極端な少なさ」が影響していると考えられます。

登場人物たちが会話で物語を進めるのではなく、映像と音によって状況を語っていくスタイルなので、劇中は長い沈黙（あるいは爆撃音だけが響く時間）が続きます。隣の人と顔を見合わせて「今のすごかったね」と共感し合うような分かりやすい盛り上がりポイントが少ないため、映画が終わった後に何を話していいか分からず、微妙な空気になってしまった……という経験をした人もいるようです。気軽に観られるエンタメとして行くと、その重厚さと静けさに圧倒されてしまうこともあるのでしょう。

3つの時間軸が交錯する構成への不満

クリストファー・ノーラン監督らしい仕掛けですが、これが一番の「つまらない」「わけがわからない」という感想を生んでいる原因かもしれません。この映画は、以下の3つの異なる時間軸が並行して描かれています。

これらが交互に切り替わりながら進むため、最初は「あれ？今は昼なのに次のシーンでは夜？」と混乱してしまうこともあります。映画後半でこれらが一つに収束していく構成自体は見事なのですが、そこに至るまでの情報処理に疲れてしまい、ストーリーに入り込めなかったという声が多く聞かれます。「もっとシンプルに見せてほしかった」という意見が出るのも納得の複雑さです。

セリフが少なく状況説明が足りないという意見

先ほども触れましたが、この映画は本当にセリフが少ないです。主人公級の兵士でさえ、一言も発さないシーンが長く続きます。これは監督が「言葉に頼らず映像で語る」ことを意図したためですが、観客によっては「説明不足で不親切」と受け取られることがあります。

「なぜ彼らはそこにいるのか」「作戦の全体像はどうなっているのか」といった説明がないまま、ひたすらサバイバルが続くため、ストーリー重視で映画を楽しむタイプの人には、どうしても退屈に感じられてしまう可能性があります。

映画ダンケルクは本当につまらないのか徹底解説

ここまで「つまらない」と言われる理由を見てきましたが、ではこの映画は本当に価値のない作品なのでしょうか？ 実は、否定的な意見の裏側には、監督が込めた深い意図や、一般的な戦争映画とは異なる楽しみ方が隠されています。ここからは、視点を変えて『ダンケルク』の魅力や、評価されているポイントについて深掘りしていきます。

ダンケルク最後の二等兵の行動に対する評価

映画の中で主人公的な立ち位置にいる二等兵のトミーたち。彼らは劇中で、敵を倒すわけでも英雄的な活躍をするわけでもありません。ただ必死に逃げ、生き延びようとするだけです。これに対して「主人公が何もしない」という不満も聞かれますが、実はこれこそが本作の最も重要なテーマだと言えます。

この映画が描こうとしたのは、スーパーヒーローの活躍ではなく、「生きて帰ることそのものが勝利」という極限状態のリアリティです。何もできずに逃げ帰ってきた彼らが、自責の念を抱きながらも故郷の土を踏む。その「生存」への執着と葛藤がリアルに描かれているからこそ、派手なアクションがなくても胸を打つ人間ドラマになっているのです。

ダンケルク最後のシーンに込められた意味

映画のラスト、新聞に掲載されたチャーチルの演説をトミーが読み上げるシーンと、敵地に不時着して捕虜となるパイロット（ファリア）のシーンが描かれます。この対比が非常に印象的です。

撤退は軍事的には敗北ですが、兵士たちを生還させたことは「精神的な勝利」であり、次の戦いへの希望につながります。一方で空軍パイロットは自らを犠牲にして仲間を守り抜きました。最後のシーンは、「生き残った者」と「残った者」、それぞれの勇気と運命を静かに、しかし力強く肯定しています。余韻を噛み締めると、単なる「地味な終わり方」ではなく、深いメッセージ性のある結末だと気づけるはずです。

圧倒的な映像と音響の臨場感は高評価

「ストーリーは合わなかったけど、映像体験としては凄かった」という感想も非常に多いです。特にIMAXカメラで撮影された高解像度の映像美と、ハンス・ジマーによる心拍数を上げるような緊迫感ある音楽は、本作の最大の評価ポイントです。

銃弾が機体を貫く音や、爆撃機が急降下してくる時の金属音。これらを「体感」することに特化したアトラクションのような作品として捉えれば、セリフの少なさやストーリーのシンプルさも、むしろ「邪魔なものがなく没入できる」という利点に変わります。音響の良い環境で観直すことで、作品への評価が一変することも少なくありません。

史実の撤退戦を知れば見方が変わるポイント

もしこれから観る、あるいは観直す機会があれば、少しだけ史実の「ダンケルクの戦い」について予習しておくことをおすすめします。「ダイナモ作戦」がいかに無謀でありながら、奇跡的に多くの兵士を救い出した作戦だったのかを知っているだけで、兵士たちの必死さがより強く伝わってきます。

特に、軍艦だけでなく、一般市民が所有するヨットや漁船などの「民間船」が救助に向かったという史実は胸が熱くなるポイントです。映画の中でもドーソン船長のような民間人が危険を顧みず海を渡る姿が描かれていますが、あれが実際の出来事だと知ると、地味に見えたシーンでも涙腺が緩んでしまうことでしょう。背景知識が、この映画をより深く楽しむための大きな鍵だと言えるかもしれません。

映画ダンケルクがつまらないか自分の目で確認を

結局のところ、『ダンケルク』がつまらないかどうかは、観る人が映画に何を求めているかによって大きく変わります。わかりやすい感動やスカッとするアクション展開を求めれば期待外れになるかもしれませんし、圧倒的な映像体験やリアルな戦場の空気を味わいたいなら傑作になり得ます。

評価が真っ二つに分かれるということは、それだけ「尖った作品」である証拠です。ネットの「つまらない」という評判だけで避けてしまうのはもったいない作品だと私は思います。ぜひ一度、ご自身の目でこの「体験」を確かめてみてください。もしかしたら、あなたにとっては忘れられない一本になるかもしれませんよ。

※映画に関する情報は公開当時の内容をもとにしています。万が一の誤りがあってはいけないため、ご覧になる前に必ず公式情報・公式サイトでも内容をご確認ください。