キング・ソロモンの秘宝の魅力~80年代アドベンチャー映画の金字塔!

※この記事にはプロモーション広告が含まれています。
スポンサーリンク

1980年代のアドベンチャー映画を探している方なら、誰もが一度は「キング・ソロモンの秘宝」というキーワードにたどり着くのではないでしょうか。

この映画は、あの『レイダース/失われたアーク』の大ヒットを受けて製作された作品で、B級とされながらも、熱狂的なファンを持つ異色の“愛すべき”一本として語り継がれています(批評的評価は賛否ありますが、カルトな人気が確かにあるのは事実です)。

リチャード・チェンバレン主演のこの作品について、「若き日のシャロン・ストーンが出演しているのは本当?」「どんなあらすじなの?」「続編の出来はどうだった?」「今、どこで視聴方法があるの?」といった疑問をお持ちかもしれません。

この記事では、私自身が熱烈なファンとして、1985年版『キング・ソロモンの秘宝』の魅力を徹底的に解説し、その背景にあるキャノン・フィルムズの戦略まで深掘りしていきます。この記事を読み終える頃には、あなたもこの「ロマンシング・アドベンチャー」風の魅力にハマっているかなと思います!

  • 1980年代のB級映画市場で果たした役割がわかる
  • リチャード・チェンバレンやシャロン・ストーンら主要キャストの裏話を知れる
  • 物語のあらすじやクライマックスの展開を把握できる
  • 現在のVODサービスでの視聴方法の考え方がわかる(配信状況は地域・時期で変動)
スポンサーリンク

1985年版キング・ソロモンの秘宝が80年代に果たした役割

1980年代のアドベンチャー映画「キング・ソロモンの秘宝」のポスター風イラスト。中央に冒険家とヒロインが黄金の像を手に吊り橋を渡っており、周囲には追跡者や先住民が描かれている。

※イメージです

1985年版『キング・ソロモンの秘宝』は、単なるインディ・ジョーンズの模倣作で終わらなかった、その独自のポジションについて解説していきます。製作会社であるキャノン・フィルムズの戦略を知ると、この映画の立ち位置がより深く理解できますよ。

B級エンタメの金字塔とキャノン・フィルムズ戦略

熱帯の遺跡を背景に、吊り橋の上で黄金の像を持つ冒険家とヒロイン。武装した追跡者と、下で炎を囲む先住民が描かれている。
画像3

※イメージです

本作の魅力は、何と言っても製作会社であるキャノン・フィルムズが仕掛けた、 shrewd(抜け目ない)なビジネスモデルの上に成り立っている点です。キャノン・フィルムズの共同経営者だったメナヘム・ゴーランは、「低〜中予算、短期間での映画製作」と「海外配給権およびビデオ市場での収益最大化」を基本戦略としていました。

『キング・ソロモンの秘宝』も例外ではなく、大作の予算をかけずに、当時の市場が求めていたアドベンチャー要素を詰め込んだ「フォーミュラ映画」として設計されています。

上映時間がわずか約100分とコンパクトにまとめられているのも、当時のキャノンの量産体制に合致しており、商業的な高回転率を目指していたことがうかがえます。低予算ながらも、その大胆でコミカルな演出が80年代のアクション映画ファンにはたまらない魅力として映ったのですね。

『インディ・ジョーンズ』と比較される理由と位置づけ

本作が常に『レイダース/失われたアーク』と比較されるのは避けられません。どちらも失われた秘宝を追う冒険活劇ですが、キャノン・フィルムズはあえて本家とは違う路線を狙いました。本家が持つ神秘性やシリアスさを緩和し、もっと気楽に楽しめる「代替品」としての地位を確立しようとしたのです。

特に顕著なのが、悪役のキャスティングです。後述しますが、あの『レイダース』でインディの頼れる相棒サラーを演じたジョン・リス=デイヴィスが、本作では欲深い敵役ドガティとして出演しているのは、製作者が意図的にパロディ的な要素やメタ的なユーモアを観客に提供しようとした現れだと私は見ています。インディ・ジョーンズの熱烈なファンであればあるほど、この対比構造は笑えるポイントだと思いますよ!

ジャンルを象徴するロマンシング・アドベンチャー

本作は、当時の宣材でも「ロマンシング・アドベンチャー」的なムードで売られました。これは、単なる秘宝探しのアクション映画ではなく、主人公の冒険家アラン・クォーターメインとヒロインのジェシー・ヒューストンの間に芽生える恋愛関係と、コミカルなバディムービー的要素が物語の核であることを明確に示しています。

古代の秘宝を巡る旅という古典的な冒険譚でありながら、二人の機知に富んだ掛け合いや、旅の中で反発しあいながらも心を通わせていく過程が丁寧に描かれており、これが特に女性観客にもアピールした大きな理由かなと思います。この「ロマンス」の要素が、他の競合アドベンチャー映画との差別化に成功したポイントだと私は評価しています。

監督J・リー・トンプソンの職人技と音楽

本作の監督は、アクション映画の熟練職人として知られるJ・リー・トンプソンが務めました。彼はキャリア後期にキャノン作品を多く手掛けた人物で、限られた予算と時間の中で、大作に見劣りしないアクションとスペクタクルをまとめ上げる確かな演出技術を持っていました。

ワーグナー『ワルキューレの騎行』の引用

悪役のボックナー大佐が、しばしばワーグナーの『ワルキューレの騎行』をレコードでかける場面があり、コミカルでありながら威圧感を象徴する印象的な小道具になっています。『地獄の黙示録』(1979年)での用法を踏まえた、当時のポップカルチャー的記号をB級映画の文脈で転用した“ニヤリ”とできる演出と言えるでしょう。

また、音楽面では、巨匠ジェリー・ゴールドスミスの壮大なオーケストレーションが、低予算で撮られたアクションシーンにスケール感と緊張感を加え、映画全体のプロダクションバリューを大きく高めています。

キャスト、プロット、そしてキング・ソロモンの秘宝の視聴ガイド

ここからは、キャストの魅力から物語の展開、そして「今すぐ見たい!」という方のために現在の視聴方法まで、キング・ソロモンの秘宝に関するより具体的な情報をお届けします。

主人公リチャード・チェンバレンの魅力

アフリカのジャングルを進む冒険家アラン・クォーターメイン。ライフルを肩にかけ、地図を手に微笑んでいる。背後には古代遺跡と案内人が続く。

※イメージです

主人公アラン・クォーターメインを演じたのは、当時TVミニシリーズで高い評価を得ていたリチャード・チェンバレンです。彼は、アフリカの地を熟知したプロフェッショナルな冒険家という役どころを、ユーモラスかつタフに演じきっています。

私個人の感想ですが、チェンバレンが演じたクォーターメインは、インディ・ジョーンズのように歴史学者というよりは、「アフリカ専門のプロのガイド」としての側面が強く、彼の機知に富んだコミカルな掛け合いが、映画の軽快なトーンを決定づけているなと感じます。この作品は、彼がTVでの成功を足がかりに、80年代ハリウッドのアクション・アドベンチャー俳優としての地位を確立しようとした、キャリアにおける重要な転機になった作品だと思います。

シャロン・ストーンの初期キャリアとヒロイン像

若き日のシャロン・ストーン演じるヒロイン、ジェシー・ヒューストンと、アラン・クォーターメインがジャングルの中の古代寺院の前で像を手にしている。

※イメージです

ヒロインのジェシー・ヒューストンを演じたのは、後の大女優、シャロン・ストーンです。彼女の役柄は、ソロモン王の秘宝のありかを知る像を発見した考古学者の教授の娘です。父を救い出すためにクォーターメインを雇い、共にアフリカのドンゴラへと乗り込みます。

この映画が製作されたのは、彼女が世界的なスターダムにのし上がる『氷の微笑』(1992年)よりも約7年前。彼女にとってこのジェシー役は、アクション、コメディ、ロマンスの全ての要素が要求される、多面的なスキルを磨く上で重要な初期キャリアのステップになったと言えるでしょう。この頃から、彼女の持つタフさとセクシーさが垣間見えます。

敵役ジョン・リス=デイヴィスの皮肉なキャスティング

キング・ソロモンが眠る洞窟の奥地で、黄金の像を背に、ジョン・リス=デイヴィス演じるドガティと、ハーバート・ロム演じるボックナー大佐が銃を向け合う。
画像6

※イメージです

敵役は二人。ハーバート・ロム演じる冷酷なドイツ軍人ボックナー大佐と、ジョン・リス=デイヴィス演じる欲深いトルコ人の武器商人ドガティです。

ここでやはり注目したいのが、ジョン・リス=デイヴィスのキャスティングですね。前述の通り、彼は『レイダース/失われたアーク』でインディの協力者サラーを演じていました。その有名俳優を、あえてこの競合作品で、強欲で滑稽な敵役として起用した製作者側の意図が、この映画の「B級パロディ的オマージュ」としての地位を確立させた大きな要因だと私は強く思います。悪役同士が秘宝を巡って争い出す展開も、非常に80年代的な痛快さがあって面白いですよ。

食人族との遭遇からクライマックスまでのあらすじ

洞窟の中で食人族に捕らえられ、釜ゆでにされそうになっているアラン・クォーターメインとジェシー・ヒューストン。ドガティと女族長ガグーラが見守る。

※イメージです

物語は、教授がソロモン王の秘宝のありかを示す古代カナン語の像を発見し、それを嗅ぎつけたボックナー大佐らに拉致されるところから始まります。娘のジェシーはクォーターメインを雇い、父の救出と秘宝の捜索に乗り出します。

印象的なアクションと冒険要素

秘宝に至るまでの旅路は、80年代アドベンチャー映画のテンプレート通り、エキゾチックな試練に満ちています。列車での激しい攻防戦や、主人公とジェシーが食人族に捕まり、危うく釜ゆでにされそうになる危機一髪の場面など、コミカルでありながらもスリリングなアクションが続きます。

クライマックスの崩壊と教訓

クライマックスでは、醜い女族長ガグーラが率いるククワナ族に捕らえられますが、クォーターメインの従者ウンボポが実は一族の隠されたリーダーであることが示され、劇的な形で救われます。秘宝が眠るソロモン王の洞窟での最終対決は、悪役同士が秘宝を独占しようと争い始め、最終的に洞窟は大音響とともに崩壊します。

この結末は、秘宝が欲望に駆られた者たちの手に渡ることなく失われるというもので、強欲さが破滅を招くという古典的な教訓を体現している点で、非常に納得のいく締め方だと感じました。

続編『アラン・クォーターメイン/黄金都市の秘宝』とシリーズの終焉

『キング・ソロモンの秘宝』(1985年版)は一定の商業的成果を収めたため、続編の『アラン・クォーターメイン/黄金都市の秘宝』(Allan Quatermain and the Lost City of Gold)が製作されました(両作は実質的にバック・トゥ・バックで製作され、公開は地域により1986〜1987年)。劇場での批評的な評価は高くありませんでしたが続編が実現したという事実は、キャノン・フィルムズが狙い通り、海外配給権やビデオ市場で堅実な収益を上げていたことの証左でもあります。

キャノン・フィルムズにとって、このシリーズは『インディ・ジョーンズ』に対抗し得る、費用対効果の高い「代替アドベンチャー映画」として機能しました。残念ながらシリーズは長く続きませんでしたが、この2作品は、当時のキャノン・モデルを象徴する成功例の一つとして語り継がれています。

まとめ:今なお輝くキング・ソロモンの秘宝のレガシー

映画「キング・ソロモンの秘宝」の象徴的なシーンを再構築したイラスト。冒険家とヒロインが黄金の像を手に、敵役たちと黄金が散乱する洞窟の中で対峙している。

※イメージです

1985年版『キング・ソロモンの秘宝』は、H. Rider Haggardの古典的な原作を、1980年代ハリウッドの商業的な要望に合わせて大胆に再構築した、「ロマンシング・アドベンチャー」の快作です。

製作会社のキャノン・フィルムズは、この映画を通じて『インディ・ジョーンズ』という強力なブランドに対抗し得る独自のニッチを確立し、リチャード・チェンバレンの持つユーモアとタフさ、そして売り出し中のシャロン・ストーンの魅力的な演技によって、商業的な成功を収めました。

批評的な評価はさておき、その安定したエンターテインメント性がビデオやTV放送市場で高く評価され、配信(VOD)でも断続的に再評価されてきた、長期的なコンテンツ価値を持った作品です。インディ・ジョーンズ作品のファンの方、80年代のアクション映画特有のユーモアとテンポを愛する視聴者、そして若き日のシャロン・ストーンの魅力を見たい方は、ぜひこのキング・ソロモンの秘宝をチェックしてみてくださいね!

※配信プラットフォームの取り扱いは地域・時期で変動します。最新の視聴可否や作品データ(邦題・上映時間・スタッフ表記など)については、配給・権利元や各配信サービスの公式情報で必ずご確認ください。